インクジェットプリンタ
レーザープリンタの原理・特徴などは分かりましたか?
次は比較的家庭向けで馴染みのあるの『インクジェットプリンタ』について説明させていただきます。
★インクジェットプリンタの歴史
1867年、ケルヴィンがインク滴に対する荷電実験を行ったことが始まりです。
1879年、レーリーがコンティニュアス型の基本である液滴生成理論を発表。
1950年代から本格的な研究が始められ、ノズル吐出のコンティニュアス型のプリンタの特許が公開されました。
1970年代からは実用的なオンデマンド型のインクジェットの研究が進められ、当初はピエゾ素子を用いたピエゾ方式が研究されるようになります。
1984年にキヤノン社がバブルジェット(サーマル方式)をBJ-80として商品化します。
更にHP社がインクジェットのカートリッジ化を行い、エプソン社がピエゾジェット式のプリンタを開発しました。
1990年10月にキャノン社が普及タイプのノート型BJ-10vを発売した後は個人ユーザーにも浸透し、それ以降は小型プリンタとしてシェアを拡大します。
現在ではパソコン用プリンタ出荷台数の3分の2以上がインクジェットプリンタとなっています。
★インクジェットプリンタの原理
インクジェットプリンタの歴史の中で『コンティニュアス型』や『オンデマンド型』、『サーマル方式』・『ピエゾ方式』など、見慣れない言葉がたくさんありましたね。
前述にもあるように、インクジェットプリンタは会社ごとに印刷の仕方が違います。
ここでは小型プリンタに主に使われる『オンデマンド型』の中の『サーマル方式』・『ピエゾ方式』について説明させていただきます。
【サーマル方式】(キヤノン・HPなど)
①インクの詰まった管にヒーター(抵抗加熱・誘導加熱など)を取り付け加熱することでインク内に気泡を発生させて圧力をかけ、インクを噴出させます。
②噴出したインクはノズルと呼ばれる小さな穴から紙に向かって飛び出し「紙が印刷された状態」になります。
この方式はキヤノンの中央研究所にて偶然発見されて、液体の詰まった注射針に半田ごてが触れた時に針先から液体が飛び出したことで現象を解析、研究開発が進められたそうです。
【ピエゾ方式】(エプソン)
ピエゾ素子(電圧を加えると変形する)を用いた方法です。
①インクの詰まった管にピエゾ素子を取り付けて、電圧を加えて変形させることでインクを噴出させます。
②噴出したインクはノズルと呼ばれる小さな穴から紙に向かって飛び出し「紙が印刷された状態」になります。
1970年代に研究が進められましたが、短所の克服に時間がかかり出遅れたようです。
★インクジェットプリンタの特徴
レーザープリンタ等で使用されている加熱定着処理が不要なので、機構が単純です。
色当たりのコストも他プリンタと比べて低く抑えることができます。
6色・7色・更に10色を超える多色刷りの実現も比較的容易にできます。
ノズル数が増えるほど多くのインクが噴出するので、その数によって印刷速度も変わります。
更に紙以外の印刷の技術の応用が期待されています。(最近では立体的なものが印刷できるプリンタも…)
また、スキャナやFAXなどの機能を持つ複合機も多く登場しています。
写真に近い高い画質が得られる1440dpiの製品も、A4サイズ対応版で数万円程度の価格で販売されています!
用紙は主流の塗料系インクを普通紙に使用すると、滲みやインクが裏まで染み出す裏抜けという現象が発生します。
なので、高画質な印刷結果を得るために『専用紙(コート紙・光沢紙など)』がお勧めです☆
★良いところ
【サーマル方式】(キヤノン・HP)
・コンパクトな構造のまま、ノズル数を多くできる。
・印刷速度を速くしやすい。
【ピエゾ方式】(エプソン)
・インク噴出量を比較的簡単に制御できる。
・インクを加熱しないので、サーマル方式に比べて幅広いインクに対応できる。
★悪いところ
【サーマル方式】(キヤノン・HP)
・熱をインクに加えるので、熱劣化の少ないインクを使用しなければならない。
・インクの噴出量を調整するのが難しい。
・ヘッドの寿命が短く、個人でヘッドを交換しなければならない。
【ピエゾ方式】(エプソン)
・インク内に気泡が発生すると目詰まりしやすい。
・ヘッド構造が複雑。
★おまけ―互換インクカートリッジ問題
インクジェットプリンタのメーカーは、プリンタ本体を低価格で販売する代わりに消耗品のインクカートリッジを高価格で売って利益を生み出すビジネスモデルを採用しています。
しかし、インクカートリッジを正規メーカー品より安い価格で販売する互換インクカートリッジが存在します。
皆さんも100円ショップなどで安いカートリッジを見たことがありませんか??
正規メーカーは互換インクカートリッジを排除を行ったり、消費者に互換インクカートリッジは故障の原因になるとして使用しないように呼びかけています。
また正規メーカー品のカートリッジに比べて互換インクカートリッジは耐久性に劣るという報告もあるそうです。
そのため一部正規メーカーと互換インクカートリッジメーカーで訴訟にまで持ち込まれることがあるそうです!!